「2番ホールは8番アイアンでティショットを打ちました。ピン右に6メートルくらいに付いたんですが、それを入れることができて。続く3番ホールもピンチだったんですが2メートルくらいのパーパットが真ん中から入って、そこで今日はパターがいい感じかもと思いました」。
これまでプロの試合はレギュラーツアー、ACNツアーを含めて9試合に出場しているが、存分に力を発揮することができていなかった。その要因はパッティングにあると自己分析している。
「プロの試合に出させてもらって感じるのは、少しいい感じでできることもあるんですが、パターが入らなくて、流れに乗れずそこからズルズルと落ちてしまうことが多くて。でも今回は流れが掴めた感じでした。もともと入り出すと止まらないタイプで、そうなるとボギーも打たないんですが、今日は2番、3番のパットでいい感じの流れに乗れたのが良かったと思います」。
武田さんがパットで流れを掴めた大きな要因は開催コースのJクラシックゴルフクラブにある。地元徳島県出身で、現在は生光学園高校の3年生ということもあり、週に3、4回はJクラシックゴルフクラブでラウンドをしている。極端ではなく、間違いなく今回の出場選出中、最もコースを熟知している。そこが大きなアドバンテージになったことは優勝した本人が最も感じているところだろう。
以前からプロの試合で勝つことを目標に掲げていた武田さんだが、今週は初日が終わった時点で「勝てる気がします」と堂々とコメントしていた。その気持ちの強さがあったからこそ最終日のプレッシャーのかかる場面でも自分のゴルフを貫くことができたに違いない。まさに有言実行とはこのことだ。
今年からスタートするACNツアーの幕開けに相応しいニュースターの誕生となった。四国ジュニアや日本ジュニアのタイトルを奪取し、遂にはプロの試合での優勝を手にした武田さんの次の目標は日本アマでの優勝だ。その先のビジョンはまだ明確に決めていないとのことだが、日本ゴルフ界を背負う逸材になることを期待したい。