【MUJI】無印をブランド化しお高め路線でNYで人気

  by あおぞら  Tags :  

 ユニクロの店舗が徐々に少なくなっていた。一時期はあちこちにあったが、世の中は移り変わるものである。ニューヨークは特に変化が激しい街だ。それに引き換え、街を見ると無印良品の『MUJI』の店舗をよく見るようになった。

 日本人からしてみればMUJIの価格設定はかなり高いと思う。食器などは日本からの輸入品だから高くなるのはわかるけど、どうも割高になるのでDAISOで調達しがちな私であるが、MUJIのお客さんは何もニューヨーク住民とは限らず、世界中からの観光客が多いので、この超物価高のニューヨークに観光に来られるだけで充分金持ちなのだから、MUJIの強気な値段設定にもビクともしないのだろう。

 私が初めてMUJIの海外店舗に入ったのはニューヨークではなくロンドンだった。中心地から少し外れたモールにMUJIの店舗を見た時、少し疑った、『本当に無印良品?』と。検索すると無印良品の初海外店舗はロンドンだった。因みにユニクロも初海外店舗はロンドンだった。

 MUJIが受ける理由としてシンプルなデザインで機能的であることだろうか。店舗自体も飾り気がなく淡々としているさりげなさがいい。衣料、生活用品、家具、文具、電化製品、キッチン&バス用品、化粧品、収納用品、食品等、生活のほぼすべてがこの店舗に小さくまとまり、華美な装飾なしのシンプルに徹している姿がある意味神々しい。

 店舗の大きさの割に店員が少ない印象を受ける。人件費を削っているのだろうか? 店内のお客さんは冷やかしも多いだろうが、店の中に入りやすい気さくなイメージはあるし、いろんな商品を眺めているうちに何か欲しくなるという仕組みのようにも思える。入りやすく、ただ見るつもりだけでも、いい商品があれば手にすると言った感じで、MUJIに来る人たちは『これを買うぞ!』と言う目的意識で訪れる人は少ないのではないだろうか。

 商品のクオリティーは文句なしである。そこは日本の製品の良さ、安心感は圧倒的である。ただ、やはり価格は高い。シンプルな目覚まし時計が異常に高く、その値段に納得できずアメリカの大手ホームセンター『ホームデポ』に行くと適正価格で買えたが、価格を気にしない人には、強気な価格設定も問題はないのだろう。

 『無印良品』のネーミングながら、それをブランド化し無印の割に結構いい値段で商売するところにしたたかさを感じるが、本来のコンセプトと方向転換して成功している気もする。

 ただ、ニューヨークの小市民である私は、例えば日本的なスリッパを買う際はMUJIには行かない。綿のシンプルなスリッパが20ドルちかく、これに税金が加算される。スリッパごときに3000円は出せない! ごはん茶碗は約13ドルで税金含めば2000円を超える!やはり、全体的に高い、高すぎる。

 それでも、MUJIがニューヨークに受け入れられているのは、その値段を払う価値を見出す人が多いからだろう。おそらく顧客の比率で日本人は少ないと思う。本来の無印良品を知っている者にとり、無印をブランド化し強気の価格設定はチョット食傷気味なのだ。

 MUJIの発展を嬉しく思うけど、MUJIには申し訳ないけど、冷やかし客のままでいるような気がしている、

 

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