百田尚樹氏ら「安倍応援団」が自民党批判に転じた理由は? 「日本保守党」国政選の初陣へ 衆院東京15区補選

2024年3月18日 06時00分 有料会員限定記事
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4月16日の告示まで1カ月を切った衆院東京15区補選は、2023年9月に結成された「日本保守党」の国政選挙初参戦となる。代表を務める作家・百田尚樹氏は安倍晋三元首相(2022年死去)との親密な関係で知られ、安倍政権の「応援団」の1人だったが、現在は自民党批判に転じている。その理由とは。(宮尾幹成)

◆自民党を上回るフォロワー数

日本保守党は3月5日、東京15区補選にイスラム思想研究者でYouTuber(ユーチューバー)としても活動する新人、飯山陽(あかり)氏の擁立を発表した。記者会見には代表の百田氏、事務総長を務めるジャーナリスト有本香氏らが同席した。

作家・百田尚樹氏(2013年撮影)

日本保守党のX(旧Twitter)の公式アカウントを見ると、フォロワーは33万人を超え、既に自民党約25万人、立憲民主党の約19万人を上回っている。
3月9日には、党員が6万人を突破したと発表。この数は国民民主党の3万6000人あまり(2023年の代表選で投票権のあった党員・サポーター数)、日本維新の会の約4万人より多い。ちなみに、党員になるには「一般党員」で年6000円、党の財政を特に支援する「特別党員」なら年2万円が必要だ。

◆共同代表は河村たかし名古屋市長

百田代表の名前で発表された結党宣言は、こんな書き出しで始まる。
「日本ほど素晴らしい国はないと私は断言します」
「神話とともに成立し、以来およそ二千年、万世一系の天皇を中心に、一つの国として続いた例は世界のどこにもありません。これ自体が奇跡といえるでしょう」
余談だが、「日本保守党」の名称は、1955年の自民党(自由民主党)結党時の党名公募で最も多く寄せられた候補でもある。
日本保守党の重点政策は「日本の国体、伝統文化を守る」「減税と国民負担率の軽減」「議員の家業化をやめる」「移民政策の是正」など8項目。「減税」や「議員の家業化をやめる」は、党の共同代表に迎えた河村たかし名古屋市長のカラーだ。「伝統文化を守る」の具体的な中身には「名古屋城天守閣の木造復元完遂」も挙げる。
有本事務総長は河村氏について、名古屋市の市税を引き下げたり、名古屋市内の国有地の中国総領事館への払い下げを中止させたりしたとして、その行政手腕を高く評価する。
かつては民主党の衆院議員だった河村氏だが、近年は、日中戦争時に日本軍が捕虜らを殺害した南京事件を「なかったのではないか」と発言するなど、右派的なスタンスを強めている。

◆「5年以内に政権を取る」と宣言

結党から間もない10月21日、午後7時から東京・新橋駅前で開かれた党の街頭演説会には、百田氏や河村氏、有本氏らが参加。土曜日の夜にもかかわらず、SL広場を埋め尽くす聴衆が集まった。日の丸の旗を手に持つ人は思ったほど多...

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