「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【「東京」の人口は、日本の全人口の何%?】知らない人は数字に弱い“二流”。一流はどう考える?Photo: Adobe Stock

「東京の人口」、どれくらいですか?

「東京の人口」。日本の人口の何%?

 先に答えを言ってしまいましょう。日本の人口はだいたい「1億2000万人」ですね。東京都の人口は約「1400万人」です。これを単純計算すると、東京は日本の人口の約9分の1が住んでいることになります。つまり、日本人が9人いたら、1人は東京に住んでいるわけですね。

東京の人口を、他県の人口とくらべる

 では、さっきの「東京の人口」ですが、これ、多いですか? 少ないですか? 多いとしたら、どれくらい多いですか?

 1000万人を越えていますし、なんとなく「多い」と感じる人は多いかもしれませんね。しかし、数字に強い人はここでたとえば、次の点に着目します。

日本には全部で47都道府県ある。にもかかわらず、「9人に1人」が東京に住んでいる

 では、「1都道府県あたりの平均人口」を出してみましょう。1億2000万÷約50で出てきます(÷47じゃなくてもよいです。なぜなら、概算だから)。そうすると、約240万人となります。つまり、

・1都道府県あたりの平均人口≒240万人
・東京都の人口≒1400万人

 です。かなり多い印象を受けますね。東京の人口が他県にくらべて多そうだということがわかると思います。

 そう、何とくらべるかによって、数の大きい・小さいは変わるのです。

数字に強い人は「くらべる」

 言われてみれば当たり前かもしれませんが、実は数字に強い人は、このように数字の意味を他の数字とくらべて理解しているのです。

 これは、みなさんの年収などについても同様です。たとえば、「年収1000万円」と聞くと高そうに思いますが、この額が「日本における年収額」なのか、「アメリカにおける年収額」なのかで、今はずいぶんと違いますよね。

 こういった、「くらべるための数字」を本書ではキーナンバーと読んでいます。大きな数字が苦手な人は多いと思いますが、こういった基準となる数字をいくつか知っておくだけで、かなり数字に対しての抵抗感がなくなるようになります。このキーナンバーで実質「数字に強い人」になることができます。ぜひ少しずつやってみてください。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)