以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。本発明の一実施形態によれば、電子カード(クレジットカード、ポイントカード等)、電子ペーパー、リモコン、時計、携帯電話機、携帯情報端末、電卓等の様々な電子機器を実現することができる。
図1に示すように、この電子機器は、EPD(electrophoretic display)パネル(電気泳動表示パネル)等の電気光学パネル10と、電気光学パネル10を駆動する複数の集積回路装置(図1においては、ホストドライバー20及びセグメントドライバー30を示す)と、ユーザーが各種の情報を入力するために用いる操作部40と、各種の情報を格納する格納部50と、外部機器との通信を行う通信部60と、電子機器の各部に電源電圧を供給する電源部70とを含んでいる。
ここで、ホストドライバー20〜電源部70は、バスラインによって互いに接続されている。なお、図1においては1つのセグメントドライバーが示されているが、複数のセグメントドライバーを用いるようにしても良い。また、上記の構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加して、様々な変形が可能である。
EPDパネルは、例えば、透明なトッププレーン電極が形成された透明シートと、複数のセグメント電極が形成されたモジュール基板と、透明シートとモジュール基板との間に設けられた電気泳動層(電気泳動シート)とを含んでいる。電気泳動層は、電気泳動物質を有する多数のマイクロカプセルを含んでいる。各々のマイクロカプセルは、例えば、正に帯電した黒色の正帯電粒子(電気泳動粒子)と、負に帯電した白色の負帯電粒子(電気泳動粒子)とを分散液中に分散させ、この分散液を微小なカプセルに封入することによって作製される。
トッププレーン電極は、全ての画素に共通に形成され、複数のセグメント電極は、個々の画素に対応して形成される。セグメント電極とトッププレーン電極との間に電圧を印加すると、マイクロカプセルに封入された黒色の正帯電粒子及び白色の負帯電粒子に、その帯電の正負に応じた方向に静電気力が作用する。例えば、セグメント電極がトッププレーン電極よりも高電位である場合には、トッププレーン電極側に黒色の正帯電粒子が移動するので、その画素は黒表示となる。一方、セグメント電極がトッププレーン電極よりも低電位である場合には、トッププレーン電極側に白色の負帯電粒子が移動するので、その画素は白表示となる。
EPDパネルにおいては、トッププレーン電極の電位を固定してセグメント電極の電位を変化させても良いし、セグメント電極の電位とトッププレーン電極の電位との両方を変化させても良いが、以下においては、後者の場合について説明する。なお、モジュール基板において、セグメント電極が形成されていない領域(背景領域)に、バックプレーン電極を形成するようにしても良い。バックプレーン電極をセグメント電極と同様に駆動することにより、背景領域の色を変化させることができる。
電気光学パネル10としては、EPDパネルの他に、ECD(electrochromic display)パネル(電界により変色する素子を用いた表示パネル)を用いても良い。ECDパネルは、セグメント電極とトッププレーン電極との間に電圧を印加すると、酸化還元反応によって物質に色がついたり、光透過率が変化したりする現象を利用して表示を行うパネルである。
電気光学パネル10を駆動するために、CPU(中央演算装置)を内蔵すると共に電気光学パネルを駆動する表示ドライバーの機能を有するMCU(マイクロコントローラーユニット)としての集積回路装置(本願においては、「ホストドライバー」ともいう)を用いても良いし、CPUを内蔵しない表示ドライバー(本願においては、「セグメントドライバー」ともいう)を用いても良い。
大きさの異なる電気光学パネルに対応するために、ホストドライバーは、単独で、又は、少なくとも1つのセグメントドライバーと組み合わせて使用することが可能である。セグメントドライバーも、単独で、又は、ホストドライバー若しくは他のセグメントドライバーと組み合わせて使用することが可能である。ただし、セグメントドライバーは表示専用の集積回路装置であるので、単独又は複数のセグメントドライバーを使用する場合には、汎用のMCUが別途必要になる。
電気光学パネル10を駆動するために複数の集積回路装置(IC)を組み合わせて用いる場合には、図1に示すように、ホストドライバー20と、セグメントドライバー30とを組み合わせて用いても良い。その場合には、ホストドライバー20がマスターICとして用いられ、セグメントドライバー30がスレーブICとして用いられる。あるいは、汎用のMCUと、複数のセグメントドライバーとを組み合わせて用いても良い。その場合には、複数のセグメントドライバーの内の1つがマスターICとして用いられ、他のセグメントドライバーがスレーブICとして用いられる。
本実施形態において、図1に示すセグメントドライバー30は、マスターICとしてもスレーブICとしても用いることが可能である。セグメントドライバー30をマスターICとして用いるかスレーブICとして用いるかの設定は、マスター/スレーブ設定端子(パッド)P5の配線接続によって定められる。例えば、マスター/スレーブ設定端子P5にローレベルの電位(電源電位VSS:本実施形態においては、接地電位とする)を与えることにより、セグメントドライバー30がマスターICとして設定され、マスター/スレーブ設定端子P5にハイレベルの電位(電源電位VDD)を与えることにより、セグメントドライバー30がスレーブICとして設定される。図1においては、セグメントドライバー30が、スレーブICとして設定されている。
マスターICとして用いられるホストドライバー20は、表示コントローラー21と、クロック信号出力端子P1と、トリガ信号出力端子P2と、駆動信号出力部22と、昇圧回路23と、CPU24と、格納部25と、シリアルインターフェース(I/F)26とを含んでいる。
表示コントローラー21は、CPU24から順次供給される表示データを表示データ格納部に格納すると共に、CPU24から供給される複数組の波形値をレジスターに格納する。また、表示コントローラー21は、表示タイミングクロック信号CLKを生成してクロック信号出力端子P1に供給すると共に、CPU24から供給される表示開始を指示するコマンド制御信号(表示開始コマンド)に基づいて表示開始トリガ信号TRGを生成してトリガ信号出力端子P2に供給する。
表示コントローラー21は、表示開始トリガ信号TRGが活性化されたときに、表示タイミングクロック信号CLKに同期して表示開始フラグを活性化し、表示開始フラグが活性化されているときに、レジスターに格納されている複数組の波形値を順次選択することにより、電気光学パネルの表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態となるまでの間における駆動波形をそれぞれ表す1組の駆動波形信号を生成する。
駆動信号出力部22は、複数チャンネルの回路を有しており、表示コントローラー21から供給される表示データ及び1組の駆動波形信号に基づいて、電気光学パネル10の第1群のセグメント電極、トッププレーン電極、及び、バックプレーン電極にそれぞれ供給される複数の駆動信号を生成して出力する。ただし、駆動信号出力部22の回路のチャンネル数と電気光学パネル10のサイズとの関係により、駆動信号出力部22における全てのチャンネルの回路が電気光学パネル10を駆動するために使用されるとは限らない。また、セグメントドライバー30がトッププレーン電極及びバックプレーン電極に駆動信号を供給する場合には、ホストドライバー20がトッププレーン電極及びバックプレーン電極に駆動信号をしなくても良い。
昇圧回路23は、外部から供給される電源電位VDDを昇圧して、駆動信号出力部22において使用される少なくとも1つの昇圧電源電位を生成する。例えば、電気光学パネル10に対して0V/15Vの2値駆動を行う場合には、昇圧回路23が、電源電位VDD(例えば、1.8V〜5.5V)及び電源電位VSS(0V)を供給されて、電源電位VDDを電源電位VSSに対して昇圧して第1の昇圧電源電位を生成し、さらに、第1の昇圧電源電位を電源電位VSSに対して昇圧して第2の昇圧電源電位(15V)を生成する。
CPU24は、電子機器の各部を制御する制御部であり、表示コントローラー21に表示データを供給すると共に、シリアルインターフェース26を介して接続された少なくとも1つのセグメントドライバー30に表示データを供給する。
格納部25は、例えば、E2PROM等の不揮発性メモリーによって構成され、電気光学パネルの表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態となるまでの複数の期間に対応する複数組の波形値を格納している。CPU24は、それらの波形値を、表示コントローラー21に供給すると共に、シリアルインターフェース26を介して接続された少なくとも1つのセグメントドライバー30に供給する。
シリアルインターフェース26は、CPU24から出力される表示データや波形値や各種の制御信号等を、シリアル信号としてセグメントドライバー30に伝送する。ここで、シリアルインターフェース26として、SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)を用いる場合には、複数のセグメントドライバーに対して同時に波形値等を送信することが可能である。一方、シリアルインターフェース26として、I2C(インター・インテグレーテド・サーキット)インターフェースを用いる場合には、複数のセグメントドライバーに対して個別に波形値等を送信することが必要である。
一方、セグメントドライバー30は、表示コントローラー31と、クロック信号入出力端子P3と、トリガ信号入出力端子P4と、マスター/スレーブ設定端子P5と、駆動信号出力部32と、昇圧回路33と、デコーダーインターフェース(I/F)36とを含んでいる。
表示コントローラー31は、ホストドライバー20のCPU24からシリアルインターフェース26及びデコーダーインターフェース36を介して順次供給される表示データを表示データ格納部に格納すると共に、CPU24からシリアルインターフェース26及びデコーダーインターフェース36を介して供給される複数組の波形値をレジスターに格納する。これにより、ホストドライバー20とセグメントドライバー30とにおいて、共通の波形値をレジスターに格納することができる。
ここで、ホストドライバー20のレジスターとセグメントドライバー30のレジスターとは、複数の期間に対応する複数組の波形値を同一のフォーマットで格納する。従って、ホストドライバー20とセグメントドライバー30との間で、駆動波形信号を容易に統一することができる。
ホストドライバー20とセグメントドライバー30との組み合わせではなく、汎用のMCUと複数のセグメントドライバーとの組み合わせが用いられる場合には、汎用のMCUが、複数組の波形値を格納し、表示データ及び複数組の波形値をシリアル信号として複数のセグメントドライバーに伝送する。これにより、複数のセグメントドライバーにおいて、共通の波形値をレジスターに格納することができる。
また、表示コントローラー31は、ホストドライバー20からクロック信号入出力端子P3に供給される表示タイミングクロック信号CLKを入力し、ホストドライバー20からトリガ信号入出力端子P4に供給される表示開始トリガ信号TRGを入力する。なお、汎用のMCUと複数のセグメントドライバーとの組み合わせが用いられる場合には、マスターとして設定されたセグメントドライバーが、スレーブとして設定されたセグメントドライバーに、表示タイミングクロック信号CLK及び表示開始トリガ信号TRGを供給する。
表示コントローラー31は、表示開始トリガ信号TRGが活性化されたときに、表示タイミングクロック信号CLKに同期して表示開始フラグを活性化し、表示開始フラグが活性化されているときに、レジスターに格納されている複数組の波形値を順次選択することにより、電気光学パネルの表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態となるまでの間における駆動波形をそれぞれ表す1組の駆動波形信号を生成する。
駆動信号出力部32は、複数チャンネルの回路を有しており、表示コントローラー31から供給される表示データ及び1組の駆動波形信号に基づいて、電気光学パネル10の第2群のセグメント電極、トッププレーン電極、及び、バックプレーン電極にそれぞれ供給される複数の駆動信号を生成して出力する。ただし、駆動信号出力部32の回路のチャンネル数と電気光学パネル10のサイズとの関係により、駆動信号出力部32における全てのチャンネルの回路が電気光学パネル10を駆動するために使用されるとは限らない。また、ホストドライバー20がトッププレーン電極及びバックプレーン電極に駆動信号を供給する場合には、セグメントドライバー30がトッププレーン電極及びバックプレーン電極に駆動信号を供給しなくても良い。
昇圧回路33は、外部から供給される電源電位VDDを昇圧して、駆動信号出力部32において使用される少なくとも1つの昇圧電源電位を生成する。例えば、電気光学パネル10に対して0V/15Vの2値駆動を行う場合には、昇圧回路33が、電源電位VDD(例えば、1.8V〜5.5V)及び電源電位VSS(0V)を供給されて、電源電位VDDを電源電位VSSに対して昇圧して第1の昇圧電源電位を生成し、さらに、第1の昇圧電源電位を電源電位VSSに対して昇圧して第2の昇圧電源電位(15V)を生成する。
デコーダーインターフェース36は、ホストドライバー20のシリアルインターフェース26又は汎用のMCUから伝送されたシリアル信号をデコードして得られた表示データや波形値や各種の制御信号等を、セグメントドライバー30の各部に供給する。例えば、デコーダーインターフェース36は、表示開始(電気光学パネルの書き換え開始)を指示するコマンド制御信号(表示開始コマンド)をデコードして得られた2値の表示開始制御信号を、表示コントローラー31に供給する。
図2は、図1に示すセグメントドライバーの構成の一部を詳細に示す図である。図2に示すように、表示コントローラー31は、表示データ格納部311と、駆動波形生成部312と、タイミング制御部313とを含んでいる。
表示データ格納部311は、例えば、複数のフリップフロップ等を含むレジスター、又は、SRAM等のメモリーによって構成される。表示データ格納部311は、CPU24から供給される第1の表示データ(前回表示データ)DLを格納する前回表示データ格納部311aと、CPU24から第1の表示データの次に供給される第2の表示データ(今回表示データ)DPを格納する今回表示データ格納部311bとを含んでおり、CPU24から供給される一連の表示データを順次格納することにより、第1及び第2の表示データDL及びDPを更新する。
例えば、セグメントドライバー30が256個のセグメント電極に256個の駆動信号を出力する場合には、256個のセグメント表示データを含む表示データが今回表示データ格納部311bに入力されて保持(ラッチ)される。今回表示データ格納部311bに格納された256個のセグメント表示データは、タイミング制御部313から供給されるクロック信号CK1に同期して、駆動信号出力部32におけるそれぞれのチャンネルの回路にパラレルに供給される。その表示データに基づく表示が終了すると、今回表示データ格納部311bに保持されていた256個のセグメント表示データを含む表示データは、前回表示データ格納部311aに転送されて保持(ラッチ)される。
駆動波形生成部312は、CPU24から供給される複数組の波形値に基づいて、1組の駆動波形信号として、セグメント信号SWV(1、1)〜SWV(N、N)及びトッププレーン信号TPを出力する。ここで、Nは、表示データの階調数を表しており、2以上の整数である。以下においては、例として、N=2の場合について説明する。なお、バックプレーン信号は、セグメント信号と同様にして作成することができるので、説明を省略する。
電気光学パネルにおいては、1つのセグメント電極における表示状態(階調)が、第1の表示データ(セグメント表示データ)DLに対応する第1の表示状態から第2の表示データ(セグメント表示データ)DPに対応する第2の表示状態に変化する際に、全てのセグメント電極とトッププレーン電極との間に印加される電圧を所定の規則に従って変化させることにより、表示状態を安定化させることが行われている。駆動波形信号は、そのための駆動波形を表している。
例えば、表示データの階調数が2である場合には、第1の表示タイミングにおける第1の表示状態として黒表示と白表示という2つの状態があり、第1の表示タイミングの次の第2の表示タイミングにおける第2の表示状態として黒表示と白表示という2つの状態がある。
そこで、セグメント信号SWV(1、1)は、第1及び第2の表示状態が共に黒表示である場合に、セグメント電極に供給される駆動波形を表している。セグメント信号SWV(1、2)は、第1の表示状態が黒表示であり、第2の表示状態が白表示である場合に、セグメント電極に供給される駆動波形を表している。セグメント信号SWV(2、1)は、第1の表示状態が白表示であり、第2の表示状態が黒表示である場合に、セグメント電極に供給される駆動波形を表している。セグメント信号SWV(2、2)は、第1及び第2の表示状態が共に白表示である場合に、セグメント電極に供給される駆動波形を表している。また、トッププレーン信号TPは、第1の表示状態と第2の表示状態との間に、トッププレーン電極に供給される駆動波形を表している。
駆動波形生成部312は、複数のレジスターRT1〜RTMと(Mは、2以上の整数)、レジスター選択回路RSELとを含んでいる。レジスターRT1〜RTMは、複数の期間T1〜TMのそれぞれにおけるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TPの信号レベルを特定する複数組のレジスター値(波形値)を格納する。例えば、レジスターRT1は、期間T1におけるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TPの信号レベルを特定する1組のレジスター値を格納し、レジスターRT2は、期間T2におけるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TPの信号レベルを特定する1組のレジスター値を格納する。レジスターRT3〜RTMも同様である。これらの波形値は、ホストドライバー20のCPU24から供給される。
レジスター選択回路RSELは、タイミング制御部313が生成する選択信号SRSELに従って、レジスターRT1〜RTMに格納されている複数組のレジスター値の内から1組のレジスター値を選択する。レジスター選択回路RSELは、期間T1においてレジスターRT1の1組のレジスター値を選択し、期間T2においてレジスターRT2の1組のレジスター値を選択する。期間T3〜TMにおいても同様である。
これにより、駆動波形生成部312は、電気光学パネルの表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態となるまでの間における1組の駆動波形を表す1組の駆動波形信号を生成する。なお、レジスターRT1〜RTMには、駆動信号出力部32の出力端子をハイインピーダンス状態に設定するための波形値を、駆動波形信号の一部として格納しても良い。例えば、第k番目の期間Tk(1≦k≦M)において駆動信号出力部32の出力端子をハイインピーダンス状態に設定する場合には、第k番目のレジスターRTkにおけるハイインピーダンス状態設定ビットを「1」に設定する。これにより、期間Tkにおいて、ハイインピーダンス状態設定信号SHZがアクティブになる。
また、レジスターRT1〜RTMには、セグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TPの信号レベルを特定する波形値以外にも、駆動波形を終了するか否かを表す波形終了フラグEOWや、期間T1〜TMの長さを設定するために用いられる期間長レジスター値STkを格納しても良い。波形終了フラグEOW及び期間長レジスター値STkは、タイミング制御部313に供給される。
例えば、レジスターRTkは、期間Tkにおけるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TPの信号レベルを特定する1組の波形値の他に、期間Tkの長さを設定するために用いられる期間長レジスター値STkを格納する。その場合に、タイミング制御部313は、レジスターRTkから読み出された期間長レジスター値STkに基づいて、期間Tkの長さを設定する。
タイミング制御部313は、マスター/スレーブ設定端子P5を用いてセグメントドライバー30がマスターICとして設定された場合に、表示タイミングクロック信号CLK及び表示開始トリガ信号TRGを生成してクロック信号入出力端子P3及びトリガ信号入出力端子P4にそれぞれ供給し、表示開始トリガ信号TRGが活性化されたときに、表示タイミングクロック信号CLKに同期して、表示開始フラグを活性化すると共に選択信号SRSELの生成を開始する。
一方、タイミング制御部313は、マスター/スレーブ設定端子P5を用いてセグメントドライバー30がスレーブICとして設定された場合に、トリガ信号入出力端子P4に供給される表示開始トリガ信号TRGが活性化されたときに、クロック信号入出力端子P3に供給される表示タイミングクロック信号CLKに同期して、表示開始フラグを活性化すると共に選択信号SRSELの生成を開始する。
図3は、図2に示すタイミング制御部の構成例を示すブロック図である。タイミング制御部313は、クロック信号生成回路81と、I/O制御回路82と、クロック信号選択回路83と、トリガ信号生成回路84と、表示開始フラグ生成回路85と、選択信号生成回路86とを含んでいる。
クロック信号生成回路81は、発振回路及び分周回路を有し、クロック信号CK1及び表示タイミングクロック信号CLK1を含む各種のクロック信号を生成する。クロック信号CK1は、表示データ格納部311に供給される。
I/O制御回路82は、セグメントドライバーがマスターICとして設定された場合(以下、「マスターモード」ともいう)において、クロック信号生成回路81によって生成された表示タイミングクロック信号CLK1をクロック信号入出力端子P3に供給すると共に、トリガ信号生成回路84によって生成された表示開始トリガ信号TRG1をトリガ信号入出力端子P4に供給する。
一方、I/O制御回路82は、セグメントドライバーがスレーブICとして設定された場合(以下、「スレーブモード」ともいう)において、外部からクロック信号入出力端子P3に入力される表示タイミングクロック信号CLK0をクロック信号選択回路83に供給すると共に、外部からトリガ信号入出力端子P4に入力される表示開始トリガ信号TRG0を表示開始フラグ生成回路85に供給する。
図4は、図3に示すI/O制御回路の回路例を示す図である。図4に示すI/O制御回路82は、2つの入出力回路821及び822を含んでいる。入出力回路821及び822の各々は、複数のアナログスイッチ等によって構成される。マスターモードにおいては、マスター/スレーブ設定端子P5にローレベルのマスター/スレーブ設定信号SLVSELが与えられて、入出力回路821は、クロック信号生成回路81によって生成された表示タイミングクロック信号CLK1をクロック信号入出力端子P3に供給する。また、入出力回路822は、トリガ信号生成回路84によって生成された表示開始トリガ信号TRG1をトリガ信号入出力端子P4に供給する。
スレーブモードにおいては、マスター/スレーブ設定端子P5にハイレベルのマスター/スレーブ設定信号SLVSELが与えられて、入出力回路821は、外部からクロック信号入出力端子P3に入力される表示タイミングクロック信号CLK0をクロック信号選択回路83に供給する。また、入出力回路822は、外部からトリガ信号入出力端子P4に入力される表示開始トリガ信号TRG0を表示開始フラグ生成回路85に供給する。
再び図3を参照すると、クロック信号選択回路83は、マスターモードにおいて、クロック信号生成回路81によって生成される表示タイミングクロック信号CLK1を選択し、スレーブモードにおいて、外部から供給される表示タイミングクロック信号CLK0を選択する。クロック信号選択回路83は、選択された表示タイミングクロック信号CLKと共に、反転された表示タイミングクロック信号CLKバーを出力する。
図5は、図3に示すクロック信号選択回路の回路例を示す図である。図5に示すクロック信号選択回路83は、AND回路831及び832と、OR回路833と、インバーター834とを含んでいる。AND回路831は、マスター/スレーブ設定信号SLVSELがローレベルとなるマスターモードにおいて、表示タイミングクロック信号CLK1を選択する。また、AND回路832は、マスター/スレーブ設定信号SLVSELがハイレベルとなるスレーブモードにおいて、表示タイミングクロック信号CLK0を選択する。OR回路833は、AND回路831又は832によって選択された表示開始トリガ信号CLKを出力する。インバーター834は、OR回路833から出力される表示タイミングクロック信号CLKを反転して、反転された表示タイミングクロック信号CLKバーを出力する。
再び図3を参照すると、トリガ信号生成回路84は、マスターモードにおいて、クロック信号生成回路81によって生成されクロック信号選択回路83によって選択された表示タイミングクロック信号(CLKバー)に同期して、デコーダーインターフェース36が表示開始コマンドをデコードすることによってハイレベルに活性化される表示開始制御信号の立ち上がりエッジを検出することにより、表示開始トリガ信号を生成する。
図6は、図3に示すトリガ信号生成回路の回路例を示す図である。トリガ信号生成回路84は、フリップフロップ841及び842と、AND回路843及び844と、インバーター845と、フリップフロップ846とを含んでいる。
フリップフロップ841は、クロック信号選択回路83によって反転された表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、デコーダーインターフェース36から出力される表示開始制御信号をラッチする。フリップフロップ842は、表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、フリップフロップ841から出力される信号S1をラッチする。
AND回路843は、フリップフロップ841から出力される信号S1と、フリップフロップ842から出力される信号S2を反転した信号との論理積を求めることにより、表示開始制御信号がハイレベルに活性化されると表示タイミングクロック信号CLKバーの1周期分の期間においてハイレベルに活性化される信号S3を生成する。AND回路844は、マスター/スレーブ設定信号SLVSELがローレベルとなるマスターモードにおいて、信号S3を出力する。フリップフロップ846は、表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、AND回路844から出力される信号S3をラッチすることにより、表示開始トリガ信号TRG1を生成する。
再び図3を参照すると、表示開始フラグ生成回路85は、マスターモードにおいて、トリガ信号生成回路84によって生成される表示開始トリガ信号TRG1を選択し、スレーブモードにおいて、外部から供給される表示開始トリガ信号TRG0を選択する。また、表示開始フラグ生成回路85は、選択された表示開始トリガ信号が活性化されたときに、クロック信号選択回路83によって選択された表示タイミングクロック信号CLKに同期して表示開始フラグを活性化し、駆動波形生成部312から供給される波形終了フラグEOWが駆動波形の終了を表すときに表示開始フラグを非活性化する。
図7は、図3に示す表示開始フラグ生成回路の回路例を示す図である。表示開始フラグ生成回路85は、AND回路851及び852と、OR回路853及び854と、AND回路855と、フリップフロップ856とを含んでいる。
AND回路851は、マスター/スレーブ設定信号SLVSELがローレベルとなるマスターモードにおいて、表示開始トリガ信号TRG1を選択する。また、AND回路852は、マスター/スレーブ設定信号SLVSELがハイレベルとなるスレーブモードにおいて、表示開始トリガ信号TRG0を選択する。
OR回路853は、AND回路851又は852によって選択された表示開始トリガ信号TRGを、OR回路854の一方の入力端子に供給する。OR回路854の他方の入力端子には、フリップフロップ856の出力信号が供給される。OR回路854は、表示開始トリガ信号TRGとフリップフロップ856の出力信号との論理和を求めて、信号S4を生成する。AND回路855は、波形終了フラグEOWがローレベルであるときに、信号S4を出力する。フリップフロップ856は、表示タイミングクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、AND回路855からデータ入力端子に入力される信号S4をラッチすることにより、表示開始フラグを生成する。
波形終了フラグEOWは、「1」(ハイレベル)であるときに、駆動波形の終了を表している。従って、波形終了フラグEOWが「0」(ローレベル)であるときに、表示開始トリガ信号TRGがハイレベルに活性化されると、表示タイミングクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、表示開始フラグがハイレベルに活性化される。これにより、信号S4がハイレベルを維持するので、表示開始フラグもハイレベルを維持する。一方、波形終了フラグEOWが「1」(ハイレベル)になると、AND回路855の出力がローレベルになるので、表示タイミングクロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングにおいて、表示開始フラグがローレベルに非活性化される。
再び図3を参照すると、選択信号生成回路86は、表示開始フラグが活性化されているときに、クロック信号選択回路83によって選択された表示タイミングクロック信号CLKに含まれているパルスの数をカウントして得られたカウント値に基づいて、電気光学パネルの表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態となるまでの複数の期間に対応する複数組の波形値を順次選択するための選択信号SRSELを生成する。あるいは、選択信号生成回路86は、図2に示す駆動波形生成部312のレジスターRTkから読み出された期間長レジスター値STkに基づいて、期間Tkの長さを設定しても良い。
図8は、図3に示すタイミング制御部のマスターモードにおける動作例を示すタイミングチャートである。マスターモードにおいては、クロック信号生成回路81が、例えば、250Hzの周波数を有する表示タイミングクロック信号CLK1を生成する。ホストドライバー20又は汎用のMPUから表示開始を指示するコマンド制御信号がデコーダーインターフェース36(図1)に送信されると、デコーダーインターフェース36は、コマンド制御信号をデコードして、2値の表示開始制御信号を出力する。コマンド制御信号は、例えば、8ビットのビット長を有している。
クロック信号選択回路83は、クロック信号生成回路81によって生成される表示タイミングクロック信号CLK1を選択し、表示タイミングクロック信号CLK、及び、反転された表示タイミングクロック信号CLKバーを出力する。トリガ信号生成回路84は、表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりタイミングにおいて表示開始制御信号をラッチすることにより信号S1を生成し、さらに、表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりタイミングにおいて信号S1をラッチすることにより信号S2を生成する。トリガ信号生成回路84は、信号S1と反転された信号S2との論理積を求めることにより、表示タイミングクロック信号CLKバーの1周期分の期間においてハイレベルに活性化される信号S3を生成し、表示タイミングクロック信号CLKバーの立ち上がりタイミングにおいて信号S3をラッチすることにより、表示開始トリガ信号TRG1を生成する。
表示開始フラグ生成回路85は、トリガ信号生成回路84によって生成された表示開始トリガ信号TRG1が活性化されたときに、クロック信号選択回路83によって選択された表示タイミングクロック信号CLKに同期して表示開始フラグをハイレベルに活性化する。
選択信号生成回路86は、表示開始フラグ生成回路85によって生成される表示開始フラグがハイレベルに活性化されている間に、表示タイミングクロック信号CLKに基づいて、複数の期間に対応する複数組の波形値を順次選択するための選択信号SRSELを生成する。これに基づいて、駆動波形生成部312(図2)が、セグメント信号、トッププレーン信号、及び、バックプレーン信号を生成する。
図9は、図3に示すタイミング制御部のスレーブモードにおける動作例を示すタイミングチャートである。スレーブモードにおいては、外部から、例えば、250Hzの周波数を有する表示タイミングクロック信号CLK0と、表示開始トリガ信号TRG0とが入力される。クロック信号選択回路83は、外部から供給される表示タイミングクロック信号CLK0を選択し、表示タイミングクロック信号CLK、及び、反転された表示タイミングクロック信号CLKバーを出力する。
表示開始フラグ生成回路85は、外部から供給される表示開始トリガ信号TRG0が活性化されたときに、クロック信号選択回路83によって選択された表示タイミングクロック信号CLKに同期して表示開始フラグをハイレベルに活性化する。
選択信号生成回路86は、表示開始フラグ生成回路85によって生成される表示開始フラグがハイレベルに活性化されている間に、表示タイミングクロック信号CLKに基づいて、複数の期間に対応する複数組の波形値を順次選択するための選択信号SRSELを生成する。これに基づいて、駆動波形生成部312(図2)が、セグメント信号、トッププレーン信号、及び、バックプレーン信号を生成する。
再び図2を参照すると、駆動信号出力部32は、表示データ格納部311から供給される第1及び第2の表示データDL及びDP、及び、駆動波形生成部312から供給されるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)及びトッププレーン信号TP等に基づいて、電気光学パネルの第2群のセグメント電極に供給される複数の駆動信号VDm、及び、トッププレーン電極に供給される駆動信号VDTを生成して出力する。なお、バックプレーン電極に供給される駆動信号は、セグメント電極に供給される駆動信号と同様にして作成することができるので、説明を省略する。
駆動信号出力部32は、1つのセグメント電極を駆動するための1チャンネル分の回路において、第1のセレクター321と、第2のセレクター322と、駆動回路323とを含んでいる。一方、トッププレーン電極を駆動するための1チャンネル分の回路においては、第1のセレクター321が不要となる。以下においては、1つのセグメント電極を駆動するための1チャンネル分の回路について説明する。
セレクター321は、表示データ格納部311から供給される第1及び第2の表示データDL及びDPに基づいて、駆動波形生成部312から供給されるセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)の内から1つのセグメント信号SWQを選択し、選択されたセグメント信号SWQをセレクター322に出力する。
セレクター322は、CPU24から供給されるダイレクトモード選択信号SDIRに従って、シーケンシャルモードとダイレクトモードとの切換を行う。セレクター322は、シーケンシャルモードにおいて、駆動波形生成部312によって生成され、セレクター321によって選択されたセグメント信号SWQを駆動信号として選択し、ダイレクトモードにおいて、今回表示データ格納部311bに格納されている表示データを駆動信号として選択する。従って、ダイレクトモードにおいては、CPU24が、セグメント信号を生成して今回表示データ格納部311bに格納する必要がある。
セレクター322から出力される駆動信号は、駆動回路323に入力される。駆動回路323は、昇圧回路33(図1)から供給される少なくとも1つの昇圧電源電位を用いて駆動信号のレベルをシフトして出力する。また、駆動回路323は、出力端子をハイインピーダンス状態にすることもできる。駆動回路323は、ハイインピーダンス状態設定信号SHZがノンアクティブであるときに、駆動信号VDmを出力端子から出力し、ハイインピーダンス状態設定信号SHZがアクティブであるときに、出力端子をハイインピーダンス状態とする。これにより、複数のセグメント電極、トッププレーン電極、及び、バックプレーン電極の駆動のオン/オフ制御が可能となる。このような駆動のオン/オフ制御機能を持たせているのは、電気光学パネルの種類によっては、駆動シーケンスの過程において、特定の信号レベルのみならずハイインピーダンス状態が必要になる場合もあるからである。
次に、図10〜図13を参照しながら、図2に示すセグメントドライバーにおける駆動波形の生成手法の具体例について説明する。電気光学パネルにおいては、セグメント電極とトッププレーン電極との間に印加される駆動バイアスの極性により、黒表示又は白表示が行われる。なお、カラーフィルターを挿入して、白表示に特定の色を持たせることも可能であり、その場合には、白表示の白は、カラーフィルターの色に置き換えることができる。
電気光学パネルの表示品質を高品位に維持するためには、単に黒表示又は白表示に必要な駆動極性のバイアスを電気光学パネルに印加するだけでは十分でない。例えば、電気光学パネルの表示状態を変化させる際に、表示状態が変化するセグメントに対して、黒表示から白表示、又は、白表示から黒表示となるために必要なバイアスを印加するだけでなく、表示状態が変化しないセグメントを含む全セグメントに対して、正極性バイアスと負極性バイアスとを混在させたシーケンシャルな駆動バイアスパターン(駆動波形)を印加することが望ましい。
図10は、図2に示すセグメントドライバーにおいて用いられる駆動波形の例を示す波形図である。図10において、「TP」は、全セグメントに共通なトッププレーン電極に印加される駆動波形を表している。また、「BB」、「BW」、「WB」、「WW」は、セグメント電極に印加される駆動波形を表しており、それぞれ、黒表示から黒表示に移行する場合のセグメント信号SWV(1、1)、黒表示から白表示に移行する場合のセグメント信号SWV(1、2)、白表示から黒表示に移行する場合のセグメント信号SWV(2、1)、白表示から白表示に移行する場合のセグメント信号SWV(2、2)に対応している。なお、「0」は0Vの信号レベルを表しており、「1」は15Vの信号レベルを表している。
図10を参照しながら、駆動波形BBについて説明する。第1の表示データに従う表示が行われた後、第1の表示状態に対応するアイドル状態A0においては、トッププレーン電極及びセグメント電極がハイインピーダンス状態に設定されている。次に、電荷抜き期間A1においては、TP=0、BB=0であるので、トッププレーン電極及びセグメント電極がノンバイアス状態となって電荷抜きが行われ、黒表示が維持される(Hold)。全白表示期間A2においては、TP=1、BB=0であるので、セグメント電極に対してトッププレーン電極が正極性バイアス状態となり、黒表示から白表示に変化する(Write)。全黒表示期間A3においては、TP=0、BB=1であるので、セグメント電極に対してトッププレーン電極が負極性バイアス状態となり、白表示から黒表示に変化する(Write)。
全白表示期間A4においては、TP=1、BB=0であるので、セグメント電極に対してトッププレーン電極が正極性バイアス状態となり、黒表示から白表示に変化する(Write)。メモリー内容表示期間A5においては、TP=0、BB=1であるので、セグメント電極に対してトッププレーン電極が負極性バイアス状態となり、白表示から黒表示に変化する(Write)。これにより、第2の表示データに従う表示が行われる。電荷抜き期間A6において、TP=0、BB=0となって電荷抜きが行われ(Hold)、その後、第2の表示状態に対応するアイドル状態A7に移行する。
同様に、駆動波形BWについても、アイドル状態B0、電荷抜き期間B1、全白表示期間B2、全黒表示期間B3、全白表示期間B4が設定され、メモリー内容表示期間B5において、TP=0、BW=0であるので、トッププレーン電極及びセグメント電極がノンバイアス状態となって電荷抜きが行われ、白表示が維持される(Hold)。これにより、第2の表示データに従う表示が行われる。電荷抜き期間B6において、TP=0、BW=0が維持され(Hold)、その後、第2の表示状態に対応するアイドル状態B7に移行する。
また、図2に示すレジスターRT1〜RTMから読み出された期間長レジスター値に基づいて各期間の長さを設定する場合には、図10に示すように、期間長レジスター値ST1〜ST6に基づいて期間T1〜T6の長さが設定される(タイミングセット)。この場合には、信号レベルを変化させるタイミングが、レジスターから読み出された期間長レジスター値に基づいて設定される。
図10に示すように、メモリー内容の表示を行う前に、所定の長さに設定された複数の期間において黒表示や白表示を繰り返し行うことによって、電気光学パネルの高品位な表示品質を実現することができる。即ち、液晶表示パネルとは異なり、電気光学パネルにおいては、第1の表示データに対応する第1の表示状態から第2の表示データに対応する第2の表示状態に移行する際に、複数の期間に亘って信号レベルをシーケンシャルに変化させることによって、表示品質を向上させることが可能である。
図11は、図2に示す駆動波形生成部における駆動波形生成用のレジスター値の設定例を示す図である。図11の(A)は、駆動波形を設定するためにレジスターRT1〜RTMに格納されるレジスター値の例を示しており、図11の(B)は、駆動期間の長さ(ウエイト時間)を設定するための期間長レジスター値と実際の時間との関係を示している。
図11の(A)において、アドレスの欄には、図2に示す駆動波形生成部312のレジスターにおけるアドレスが表示されており、期間の欄には、期間T1〜T12及び対応するレジスターRT1〜RT12が表示されている。各レジスターには、16ビット幅のレジスター値が格納される。レジスター値の第12〜8ビットは、それぞれの期間における駆動波形TP、BB、BW、WB、WWの信号レベルを表しており、レジスター値の第7〜0ビットは、それぞれの期間の長さを表している。レジスター値の第15ビットは、EOWビットであり、駆動波形の終了を表している。図11の(A)においては、期間T6に対応するレジスターRT6に格納されているレジスター値のEOWビットが、駆動波形の終了を表す「1」に設定されている。従って、この例によれば、期間T6で駆動波形が終了する。
図11の(A)において、期間T1に対応するレジスターRT1に格納されているレジスター値の第12〜8ビットは、全て「0」に設定されている。従って、図10に示すように、期間T1において、TP=BB=BW=WB=WW=0となり、電荷抜きが行われる。また、期間T1の長さ(ウエイト時間)を表すレジスターRT1の第7〜0ビットは、「00000101」に設定されている。従って、図11の(B)に示すように、期間T1の長さが4.88msに設定される。
また、期間T2に対応するレジスターRT2に格納されているレジスター値の第12〜8ビットは、「10011」に設定されている。従って、図10に示すように、期間T2において、TP=1、BB=0、BW=0、WB=1、WW=1となり、全白表示が行われる。また、期間T2の長さ(ウエイト時間)を表すレジスターRT2の第7〜0ビットは、「10000011」に設定されている。従って、図11の(B)に示すように、期間T2の長さが127.93msに設定される。
以上説明した駆動波形は一例であり、電子光学パネル10の種類や動作環境に応じ、レジスターに格納されるレジスター値やクロック信号の周波数を選択することによって、駆動波形を任意に変更することができる。図12に、図2に示すセグメントドライバーにおいて用いられる駆動波形の他の例を示し、図13に、図12に示す駆動波形に対応するレジスター値の設定例を示す。
また、以上説明したセグメントドライバー30の構成及び動作についての説明は、タイミング制御部を除き、ホストドライバー20にも適用される。ホストドライバー20はスレーブICとなることがないので、ホストドライバー20のタイミング制御部は、表示タイミングクロック信号CLK及び表示開始トリガ信号TRGを入力する機能や、マスター/スレーブを設定する機能を有していない。
本実施形態によれば、セグメントドライバー30をマスターICとして用いるかスレーブICとして用いるかの設定を、マスター/スレーブ設定端子P5の配線接続によって行うことができるので、マスターICとスレーブICとを別個に設計する必要がなくなる。さらに、セグメントドライバー30がマスターICとして設定された場合に、表示タイミングクロック信号CLK1及び表示開始トリガ信号TRG1を生成してクロック信号入出力端子P3及びトリガ信号入出力端子P4にそれぞれ供給し、セグメントドライバー30がスレーブICとして設定された場合に、クロック信号入出力端子P3及びトリガ信号入出力端子P4にそれぞれ供給される表示タイミングクロック信号CLK0及び表示開始トリガ信号TRG0に基づいて選択信号の生成を開始するタイミング制御部313(図3)を設けたことにより、マスターICとスレーブICとの間において駆動波形の変化タイミングを揃えることができる。
また、図2に示すように、第1及び第2の表示データDL及びDPに基づいて、複数のセグメント信号SWV(1、1)〜SWV(2、2)の内からセグメント信号SWQが選択され、選択されたセグメント信号SWQに基づいて、電子光学パネル10のセグメント電極に供給される駆動信号VDmが生成される。従って、第1の表示データDLに対応する第1の表示状態から第2の表示データDPに対応する第2の表示状態に移行する際に、シーケンシャルに変化する複数の駆動信号VDmによって電子光学パネル10の複数のセグメント電極を駆動することができる。その結果、高品質な表示特性を実現すると共に、CPU24の処理負荷を軽減することが可能である。