JPH10177284A - 現像方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転現像手段と固定現像手段のバイアス電源
を共通にし、トナーの混色を防止することが可能な現像
方法及び電子写真画像形成装置を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体に露光手段から露光して
潜像を形成し、該潜像を前記電子写真感光体に対して位
置決めされた固定現像手段と、少なくとも２個以上の現
像手段を回転可能に支持した回転現像手段とによって現
像する現像方法において、前記固定現像手段と回転現像
手段とに共通のバイアス電源から現像バイアスを印加し
て現像するにあたり、前記固定現像手段の非画像形成時
に、前記固定現像手段のトナー担持体の回転を停止する
と共に、露光手段によって電子写真感光体を露光し、且
つ前記バイアス電源から前記トナー担持体にバイアス電
圧を印加して、前記トナー担持体からトナーを前記電子
写真感光体に転移させる転移工程を行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンタ等
に用いられる電子写真記録方式の現像方法及び電子写真
画像形成装置に関し、更に詳しくは複数色の現像剤（以
下「トナー」という）像を転写して画像形成するカラー
画像形成において、トナーの混色による画質低下を防止
するための現像方法及び電子写真画像形成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】複数色のトナー像を重ね合わせてカラー
画像を形成する画像形成装置においては、従来から色ズ
レのないカラー画像を得ることを目的として、例えば図
10に示すような中間転写体を用いた画像形成装置が提案
されている。

【０００３】この画像形成装置は、電子写真感光体50の
周囲に帯電手段51、露光手段52、現像手段53を配置し、
各色に分解した画像情報により順次各色について、帯
電、露光、現像工程を行ってトナー像を形成し、それを
中間転写体54上に重ね合わせて搬送ローラ55によって搬
送される紙等の転写材56にカラー画像を形成するもので
ある。

【０００４】前記現像手段53としては、回転切り替え方
式のイエロー現像器53ｙ、マゼンタ現像器53ｍ、シアン
現像器53ｃの３色トナーを含む回転現像手段53ａと、固
定式のブラック現像器を有する固定現像手段53ｂとによ
って構成するようにしている。

【０００５】上記回転切り替え式の回転現像手段53ａ
は、電子写真感光体50の周囲に順番に配置したときに生
ずる現像器形状を各々異ならせる必要がなく、また色ト
ナー現像器を回転切り替え可能とすることで、装置の小
型化が可能となる利点がある。

【０００６】また、固定現像手段53ｂは一般的に消費量
が多いブラックトナーの容量を大きくできる利点を有す
る。

【０００７】尚、前記のように回転現像手段53ａと固定
現像手段53ｂとを設けた画像形成装置にあっては、固定
現像手段53ｂを回転現像手段53ａと露光手段52の間に配
設されるようにすることが好ましい。その理由は、図11
に示すように、回転現像手段53ａを露光手段52と固定現
像手段53ｂとの間に配置した場合、装置の高さ方向寸法
が広く必要になり、装置が大型化してしまう。また、固
定現像手段53ｂが回転現像手段53ａの下方に配置される
ため、カートリッジ化された固定現像手段53ｂの着脱時
に面倒な動作が必要になり、操作性が悪くなってしまう
からである。

【０００８】従って、色トナー現像器に対して容量的に
も重量的にも大きいブラックトナー現像器を固定現像手
段53ｂとして、回転現像手段53ａの上方へ配置すること
が好ましい。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにブラックトナー現像器を露光位置と色トナー現像
器との間に配置すると、色トナーでの現像の際に電子写
真感光体50上の像露光された潜像部分がブラックトナー
現像位置を通過するときに、色トナーよりも先にブラッ
クトナーが像露光部に転移して色トナーと混色するおそ
れがある。

【００１０】これは、ブラックトナー現像器を電子写真
感光体50に対して非接触に支持しても、ブラックトナー
が若干量ではあるが電子写真感光体50に転移してしまう
ことがあるからである。例えば、イエロートナー現像器
での現像の際に、ブラックトナーの混色はイエロートナ
ーの明度が高いが故に画像上で目立ってしまい、特にハ
イライト部（濃度の薄い部分）においては若干量といえ
どもブラックトナーの混色は非常に目立つものであり、
画像品位を損ねてしまう。

【００１１】そこで、ブラック現像器のトナー担持体で
ある回転スリーブ上のトナーを、前記スリーブの回転を
停止させた状態で非画像形成時に予め電子写真感光体50
へ転移（吐き出し）させておくことで混色を防止するこ
とができる。

【００１２】しかし、そのためには回転現像手段53ａと
固定現像手段53ｂとにそれぞれ現像バイアス電源57ａ，
57ｂが必要となるばかりか、制御も複雑になるという課
題があった。

【００１３】本発明は上記課題を解決するものであり、
その目的は、回転現像手段と固定現像手段のバイアス電
源を共通にし、且つトナーの混色を防止することが可能
な現像方法及び電子写真画像形成装置を提供するもので
ある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、電子写真感光体に露光
手段から露光して潜像を形成し、該潜像を前記電子写真
感光体に対して位置決めされた固定現像手段と、少なく
とも２個以上の現像手段を回転可能に支持した回転現像
手段とによって現像する現像方法において、前記固定現
像手段と回転現像手段とに共通のバイアス電源から現像
バイアスを印加して現像するにあたり、前記固定現像手
段の非画像形成時に、前記固定現像手段のトナー担持体
の回転を停止すると共に、露光手段によって電子写真感
光体を露光し、且つ前記バイアス電源から前記トナー担
持体にバイアス電圧を印加して、前記トナー担持体から
トナーを前記電子写真感光体に転移させる転移工程を行
うことを特徴とする。

【００１５】上記構成にあっては、１つの現像バイアス
電源によって固定現像手段と回転現像手段の双方へバイ
アス電圧を印加し、また非画像形成時に固定現像手段の
トナー担持体からトナーを電子写真感光体へ転移させる
ことにより、装置の小型化を図りつつ混色を防止するこ
とができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に本発明に係る現像方法及び電
子写真画像形成装置の一実施形態について、図面を参照
して具体的に説明する。

【００１７】〔第１実施形態〕まず、図１乃至図４を参
照して本発明の第１実施形態に係る電子写真画像形成装
置について説明する。尚、図１は電子写真画像形成装置
の全体模式説明図であり、図２は現像手段の構成模式説
明図、図３はトナー吐き出しのための駆動制御のタイミ
ングチャートを示す説明図、図４はトナー吐き出し時の
回転現像手段の位置を示す説明図である。

【００１８】ここでは、まず画像形成装置の全体構成に
ついて説明し、次に固定現像手段のトナー吐き出し工程
を実行する現像方法について説明する。

【００１９】｛画像形成装置の全体構成｝本実施形態に
係る電子写真画像形成装置は、図１に示すように、円筒
状の基体上に有機感光体やアモルファスシリコン感光体
でできた感光層を形成した電子写真感光体である感光体
ドラム１が図１の矢印Ａ方向に所定の周速度をもって回
転可能に取り付けられている。尚、本実施形態では外径
50mmのアルミ製シリンダー状に有機感光材料による感光
層を形成し、更にトナーの離型性を向上させ、感光層の
削れ防止のための表面保護層を設けている。

【００２０】前記感光体ドラム１は帯電手段である帯電
ローラ２によりその周面が所定の極性・電位に一様に帯
電される。そしてその帯電面に、露光手段３から出力さ
れる、図示しない画像読み取り装置やパーソナルコンピ
ュータ等の画像信号発生装置等からプリントインターフ
ェースを介して入力された画像情報の画素信号に対応し
て変調（オン／オフ変換）されたレーザー光４による走
査露光がなされることで、画像情報の静電潜像が形成さ
れる。５はレーザー光反射ミラーであり、露光手段３か
らの出力レーザー光４を感光体ドラム１に対して偏向す
る。

【００２１】６は現像手段であり、イエロートナー現像
器６Ｙ、マゼンタトナー現像器６Ｍ、シアントナー現像
器６Ｃの切り替え式の回転現像手段６ａと、黒用のブラ
ックトナー現像器６Ｂを有する固定現像手段６ｂから構
成されている。

【００２２】前記回転現像手段６ａは、回転支持装置６
ｃによって図１の矢印Ｂ方向へ回転可能に支持され、前
述したカラートナー現像器６Ｙ，６Ｍ，６Ｃが順次感光
体ドラム１に対向して各色トナーによる現像が行われる
ようになっている。前記回転現像手段６ａは装置本体７
に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成さ
れており、各カラートナー現像器６Ｙ，６Ｍ，６Ｃ内の
トナーがなくなったときに回転現像手段６ａを交換する
ことによって再び画像形成が可能になる。

【００２３】一方、固定現像手段６ｂは消費量の多いブ
ラックトナーを収納した現像器を有するものであり、前
記回転現像手段６ａと同様にプロセスカートリッジとし
て構成され、装置本体に着脱可能に構成されている。こ
の固定現像手段６ｂは装置本体７に装着された状態で
は、図２に示すように、回転可能なトナー担持体である
現像スリーブ６ｂ1 が感光体ドラム１と微少間隙（本実
施形態では50μm 〜 500μm ）をもって保持され、現像
スリーブ６ｂ1 に担持されているトナーを感光体ドラム
１に向けて供給するための現像領域が形成されている。

【００２４】更に、トナー容器６ｂ2 内にはトナーを前
記現像スリーブ６ｂ1 側へ送り出す送り手段６ｂ3 が設
けられており、この送り手段６ｂ3 によって送り出され
たトナーを現像スリーブ６ｂ1 に供給するための供給ロ
ーラ６ｂ4 が収容されている。この供給ローラ６ｂ4 は
現像スリーブ６ｂ1 への安定供給、均一なトナー塗布を
達成するために、ポリウレタン、シリコーン等のゴム発
泡材質が好ましく用いられる。更には前記供給ローラ６
ｂ4 を現像スリーブ６ｂ1 に当接させると共に、周速差
をもたせながら図２の矢印Ｃ方向へ回転させることが好
ましい。また、現像スリーブ６ｂ1 の上方には、現像ス
リーブ６ｂ1 に担持されているトナーの層厚を規制する
規制部材としての現像ブレード６ｂ5 が設けられ、且つ
現像スリーブ６ｂ1 の下方にはトナー容器６ｂ2 の下部
から外部へのトナーの吹き出しを防止するための吹出防
止シート６ｂ6 が設けられている。

【００２５】上記現像手段の構成において、感光体ドラ
ム１の表面が帯電ローラ２によって一様に帯電される
（本実施形態では約−600 Ｖ）。次に、第１色目（例え
ばイエロー）の画像データに応じてON/OFF制御された露
光手段３による露光走査がなされ、第１色目の静電潜像
（本実施形態にあっては約−100 Ｖ）が感光体ドラム１
に形成される。この第１色目の静電潜像は第１色目のイ
エロートナー（−極性）を内包したイエロー現像器６Ｙ
によって現像、可視像化される。そして、この可視像化
された第１のトナー像は、感光体ドラム１に所定の押圧
力を持って圧接され、感光体ドラム１の周速度と略等速
の速度（本実施形態にあっては100mm/s ）をもって矢印
Ｄ方向へ回転駆動される中間転写体ドラム８とのニップ
部において、該中間転写体ドラム８表面に転写される。

【００２６】尚、本実施形態では前記中間転写体ドラム
８として、アルミ製シリンダー上に、ＮＢＲゴム等から
なる導電弾性層の表面に、カーボン、フッ素樹脂等を分
散したウレタン樹脂からなる離型性を有する表層を形成
し、抵抗値を約10⁵ 〜10¹⁰Ω.cm とし、外径153mm のも
のを使用している。

【００２７】前記中間転写体ドラム８への転写の際、該
ドラム８に対しては、トナーの帯電極性（−）とは逆極
性で、予め設定された電圧（本実施形態では＋100 Ｖ）
が印加される。この転写の際に中間転写体ドラム８に転
写されずに感光体ドラム１上に残ったトナーは、感光体
ドラム１に圧接されたクリーニング手段９であるクリー
ニングブレード９ａにより掻き取られ、廃トナー容器９
ｂに回収される。

【００２８】そして、上記転写工程を他のトナー（マゼ
ンタ、シアン、ブラック）についても同様に繰り返し、
その都度各々の現像器に内包された色の異なるトナーに
よるトナー像を中間転写体ドラム８に順次転写、積層す
ることによりカラー画像が合成形成される。

【００２９】９は中間転写体ドラム８に対するトナー像
転写後の感光体ドラム１の面を清掃するクリーニング手
段であり、クリーニングブレード９ａを感光体ドラム１
面に当接させ、該ドラム１面に残留したトナーを掻き取
るものである。

【００３０】また、図１において、10は中間転写体ドラ
ム８から転写材Ｐに転写されずに残ったトナーを中間転
写体ドラム８から除去するためのクリーナーである。

【００３１】前記中間転写体ドラム８に対して、給送カ
セット11から被記録材としての転写材Ｐが給送ローラ12
ａ及び搬送ローラ12ｂにより一枚ずつ給送され、転写ロ
ーラ13へ転写材Ｐの背面からトナーと逆極性の電圧（本
実施形態にあっては＋1000Ｖ）を印加することによって
転写材Ｐに対して中間転写体ドラム８側のフルカラート
ナー像が転写形成される。

【００３２】そして、前記フルカラートナー像の転写を
受けた転写材Ｐは中間転写体ドラム８から分離されて定
着手段14へ導入され、トナー像の加熱定着を受けて排出
トレー15へ排出されるように構成されている。

【００３３】｛固定現像手段のトナー吐き出し構成｝こ
こで、ブラック現像器を有する前記固定現像手段６ｂ
は、露光位置と回転現像手段６ａの間に配置されるた
め、黒以外の色トナー潜像がブラック現像位置を通過す
るときに混色するおそれがある。そのため、ブラック現
像器の現像スリーブ６ｂ1 上のトナーを予め感光体ドラ
ム１に転移させ（吐き出し）、該現像スリーブ６ｂ1 上
のトナーが無い状態にする必要がある。本実施形態にあ
っては、前記固定現像手段のトナー吐き出す、転移工程
を行うための制御手段を有している。次に前記トナー転
移工程の構成について説明する。

【００３４】本実施形態では前記トナーの吐き出しを現
像バイアス電源を共通化し、１つのバイアス電源16によ
って行うようにするものである。

【００３５】前記現像バイアス電源16を共通化しただけ
では、色トナーの現像時にもブラック現像器に現像バイ
アスが印加されてしまうため、色トナー潜像の先頭部分
を固定現像手段６ｂで現像してしまう。これを防止する
ために、本実施形態ではブラックトナーの現像工程（顕
画工程）終了後に先ず現像スリーブ６ｂ1 の回転を停止
させ、現像バイアス電源16をＯＮし、現像スリーブ６ｂ
1 の長手方向手方向における現像領域幅相当（約２mm〜
５mm）のトナーを感光体ドラム１に転移させるものであ
る。これにより、固定現像手段６ｂは色トナー潜像に対
して現像バイアスが印加された状態となるものの、現像
すべきブラックトナーが予め現像スリーブ６ｂ1 上に無
いために、潜像に支障をきたすことなくトナー混色が防
止されるものである。

【００３６】前記トナー転移工程を、図３に示すタイミ
ングチャートを用いて具体的に説明する。尚、図３はブ
ラック現像工程（Ｂｋ顕画工程）の途中からイエロー現
像工程（Ｙ顕画工程）の途中までのタイミングチャート
を示しており、通常はこのタイミングは複数枚の転写材
に連続して画像形成する際の転写材間に相当するもので
ある。

【００３７】図３において、ブラック画像露光終了と同
時に（厳密には露光位置と現像位置との時間差がある
が、ここでは説明を容易にするために、露光位置、ブラ
ック現像位置、イエロー現像位置の時間差を省略して説
明する）、ブラック現像スリーブ（Ｂｋスリーブ）６ｂ
1 の回転駆動を停止する。

【００３８】次にブラックトナー吐き出し用のレーザー
露光を行い、非画像形成時にブラック現像スリーブ６ｂ
1 上の現像領域のブラックトナー（Ｂｋトナー）を感光
体ドラム１に転移させる（吐き出し）。この吐き出し時
にレーザー露光を行わないと、現像領域のトナーの転移
が確実に行えない。このとき回転現像手段６ａの各現像
器の停止位置は、図４に示すような位置に停止してお
り、各色トナー現像器６Ｙ，６Ｍ，６Ｃのいずれもが感
光体ドラム１に対向せず、また現像バイアス接点が現像
バイアス電源16と接続していない状態になっている。従
って、共通の現像バイアス電源16から電源が印加されて
も色トナー現像器６Ｙ，６Ｍ，６Ｃには現像バイアスが
印加されることなく、色トナー現像器６Ｙ，６Ｍ，６Ｃ
によって現像が行われることはない。

【００３９】前記の如くしてブラックトナーの吐き出し
が終了した後、回転現像手段６ａの回転支持装置６ｃを
60度回転させ、図２に示すように、イエロー現像器（Ｙ
現像器）６Ｙが感光体ドラム１に対向する位置まで移動
させる。この状態で現像バイアスを印加したまま、イエ
ロー現像スリーブ（Ｙスリーブ）を回転させて次のイエ
ロートナー現像工程に移る。

【００４０】尚、図３のタイミングチャートでは、ブラ
ックトナーの次にイエロートナーの現像工程が続くが、
他の色（マゼンタ、シアン）の現像工程が続いても何ら
問題はなく、ブラックトナーの現像工程が連続して行わ
れた場合でも画像間（転写材間）での現像スリーブの回
転ＯＮ、ＯＦＦを繰り返し行ってもよい。

【００４１】前記ブラックトナーの吐き出し時に印加さ
れる現像バイアスは、通常の現像工程における現像バイ
アス値でよい。また、現像バイアスの印加時間は、プロ
セススピード、スリーブ上のトナーコート量、現像スリ
ーブとドラム径等の要素により最適な時間は異なるが、
0.1 秒〜0.5 秒程度の印加時間で十分である。

【００４２】尚、前記感光体ドラム１に吐き出し転移さ
れたブラックトナーは、中間転写体ドラム８上に転写さ
れ、転写体クリーナー10によって回収される。

【００４３】以上のように、現像バイアスを印加したま
まで、固定現像手段６ｂでの現像工程終了直後に固定現
像手段６ｂの現像スリーブ６ｂ1 を停止することによ
り、回転現像手段６ａと固定現像手段６ｂとに別個にバ
イアス電源を設けることなく、固定現像手段６ｂのブラ
ック現像器の現像領域におけるブラックトナーを吐き出
し、現像ローラ６ｂ1 上のトナーを無くすことができ、
これによって次の色トナー現像器による現像時に混色を
生ずることがなくなるため、良好な画像を得ることがで
きるものである。

【００４４】〔第２実施形態〕次に第２実施形態として
固定現像手段６ｂの現像スリーブ６ｂ1 内に磁石６ｂ7
を内包し、ブラックトナーとして磁性トナーを用い、カ
ラートナーとして非磁性トナーを用いた例を、図５乃至
図７を参照して説明する。尚、前述した第１実施形態と
同一機能を有する部材は同一符号を付して重複する説明
を省略する。

【００４５】前述した第１実施形態のようにブラックト
ナーを吐き出すことにより、混色を防止することが可能
であるが、この吐き出し量が不十分であったり、長期に
わたる現像器の稼働停止によるトナートリボの低下でト
ナーが現像スリーブ６ｂ1 から離れ易くなると、十分な
吐き出しを行っても現像領域外のトナーが振動等によっ
て感光体ドラム１上に落下してしまうことがある。

【００４６】そこで、本実施形態では固定現像手段であ
るブラック現像器に磁性トナーを用い、ブラック現像ス
リーブ６ｂ1 内に内包された磁石６ｂ7 の引力を利用し
て前記トナーの落下を防止して混色を防止するものであ
る。このようにすると、トナー吐き出し量が不十分でも
トナーは現像スリーブ６ｂ1 に吸着されているために、
異なる色の現像時にブラックトナーの混色を防ぐことが
できる。

【００４７】前記ブラックトナーの吐き出し工程は、前
述した第１実施形態と同様のタイミング、即ちブラック
現像工程終了直後に行ってもよいが、本実施形態ではプ
リントシーケンスにおける前回転工程時にトナーの吐き
出し転移工程を行う例を、図６に示す。

【００４８】これは、図６のタイミングチャートに示す
ように、プリントリクエストが画像形成装置に入ると、
感光体ドラム１の駆動と一次帯電が略同時に行われる。
また、露光手段３のスキャナー回転が始まり、回転数が
安定したときにブラックトナーの吐き出し用のレーザー
露光を行い、現像バイアス電源16をＯＮして現像スリー
ブ６ｂ1 上にあるブラックトナーを感光体ドラム１へ吐
き出す。このとき、ブラック現像器の現像ローラ６ｂ1
を停止させておくことは、前述した第１実施形態と同様
である。そして、ブラックトナー吐き出し終了後に色ト
ナーの第１色目であるイエローの現像工程を開始し、イ
ンクカートリッジ順次各色の現像工程を続けてカラー画
像を形成する。

【００４９】尚、前記回転現像手段６ａを回転させると
きに（例えば、ブラックトナーの吐き出しからイエロー
トナーの現像にかかるときの回転現像手段６ａの回転時
等）、共通の現像バイアス電源16を一旦ＯＦＦにし、イ
エロー現像時に再びＯＮにする。これは、回転現像手段
６ａに対しては、高圧バイアス電圧が印加された状態で
バイアス接点が接離すると、接点から発生するノイズに
よる装置本体の誤動作や、色トナー現像器が現像位置に
至った瞬間にカブリ等が発生するおそれがあるからであ
る。従って、回転現像手段６ａを回転させる際は、現像
バイアス電源16をＯＦＦすることが望ましい。

【００５０】上記のように、プリントシーケンスの前回
転工程時に固定現像手段６ｂの現像スリーブ６ｂ1 上の
トナーを吐き出すことにより、前述した第１実施形態と
同様の効果を得ることができるばかりでなく、画像形成
装置が長期間未使用の状態でも画像形成開始前にブラッ
クトナーの吐き出しが行われるために、現像スリーブ６
ｂ1 上のトナーを確実に吐き出すことが可能となり、更
には磁石による吸着力も利用できるため、混色のさらな
る防止効果を得ることができる。

【００５１】ここで、カラー画像はモノクロ画像に比べ
てより優れた解像度と諧調性が要求されるため、カラー
用非磁性トナーは流動性の優れたものを用いる必要があ
る。しかし、流動性の優れたトナーは感光体ドラム１上
の転写残りトナーのクリーニング時おいて、クリーニン
グブレード９ａをすり抜けてしまい、クリーニング不良
やトナー融着等の不具合を招き易い。

【００５２】しかし、本実施形態にあっては固定現像手
段６ｂに磁性トナーを用いているために、前記クリーニ
ング不良を確実に防止できる。即ち、磁性トナーの流動
性は非磁性トナーに比較して劣るので、磁性トナーはク
リーニングブレード９ａをすり抜けることなく感光体ド
ラム１との当接部に溜まっていく。このトナーが溜まっ
ていることで、非磁性トナーも前記ブレード９ａをすり
抜け難くなる。

【００５３】従って、前述したように前回転時に磁性ト
ナーの吐き出しを行うことで、回転現像手段６ａの現像
器に非磁性トナーを用いても、予め磁性トナーがクリー
ニングブレード９ａの部分に溜められていることにより
クリーニング不良を確実に防ぐことができるものであ
る。

【００５４】ここで、図７に前記クリーニング不良を防
止するために有効な、プリントシーケンスの前回転工程
を利用した磁性トナー吐き出しを行うタイミングチャー
トを示す。

【００５５】図７において、プリントリクエストが画像
形成装置に入ると、感光体ドラム１の駆動と一次帯電が
略同時に行われる。また、露光手段３のスキャナー回転
が始まり、その回転数が安定したときにブラックトナー
の吐き出し用レーザー露光を行い、共通の現像バイアス
電源16をＯＮしてブラック現像スリーブ６ｂ1 上のトナ
ーを吐き出す。ここで、前記トナー吐き出し工程時に感
光体ドラム１上に常に磁性トナーが供給されるように、
感光体ドラム１の駆動開始と略同時に固定現像手段６ｂ
の現像スリーブ６ｂ1 を空回転させる。この空回転時間
は少なくとも現像スリーブ６ｂ1 上の現像ブレード６ｂ
5 の当接位置が現像位置に移動する時間以上が必要であ
り、好ましくは現像スリーブ６ｂ1 上のトナーのトリボ
を安定させるためには、現像スリーブ６ｂ1 を１回転以
上回転させる。

【００５６】そして、所定の空回転を行った後、吐き出
し用の現像バイアス電圧を印加する前に、現像スリーブ
６ｂ1 の空回転を停止させ、吐き出し転移工程に移った
時には現像スリーブ６ｂ1 上の現像領域付近のトナーだ
け感光体ドラム１に転移するようにする。

【００５７】上記のように磁性トナーをクリーニングブ
レード９ａに供給することにより、流動性の優れた非磁
性トナーを使用してもクリーニング不良の防止が可能と
なる。ここで、吐き出された磁性トナーを有効にクリー
ニング手段へ送り込むために、前記トナー吐き出し転移
工程時に中間転写体ドラム８を感光体ドラム１から離間
させる。また、中間転写体ドラム８に前記トナーが転写
しないように、通常転写工程時とは逆バイアス（−極
性）を中間転写体ドラム８に印加する等してもよい。

【００５８】〔第３実施形態〕次に第３実施形態として
感光体ドラム１から直接転写材Ｐに多重転写する画像形
成装置の例を、図８及び図９を参照して説明する。尚、
前述した第１実施形態と同一機能を有する部材は同一符
号を付して重複する説明を省略する。

【００５９】本実施形態に係る電子写真画像形成装置
は、転写材Ｐ上に直接トナー像を順次転写して、トナー
飛び散りの少ないカラー画像を提供するものである。そ
のための転写部分の構成について説明すると、転写ドラ
ム17は金属シリンダーに数mmの発泡ウレタンからなる弾
性層を巻き付け、更に上層には厚さ100 μm のＰＶｄＦ
（ポリフッ化ビニリデン）を巻き付けた構成とし、外径
153mm としたものを用いている。そして、転写材Ｐはグ
リッパー18により、先端が保持され、次いで電圧印加し
た吸着ローラ19によって転写ドラム17に静電吸着され
る。

【００６０】感光体ドラム１上のトナー像は、図示しな
い電源から転写ドラム17に印加された電圧によって転写
ドラム17に吸着された転写材Ｐ上に転写される。上記工
程をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像
について行うことにより、転写材Ｐ上に複数色のトナー
像が形成される。そして、最終色の転写工程終了後、転
写材Ｐは分離爪20によって転写ドラム17から剥がされ、
定着手段14によって溶融固着されて永久像が得られる。
尚、転写ドラム17上に付着してしまったトナーは、ファ
ーブラシ、ウェブ等の転写ドラムクリーニング手段21に
よって除去され、更に転写ドラム17は図示しない電源か
ら除電ローラ22に印加された電圧によって除電されて初
期化される。

【００６１】本実施形態では上記画像形成装置におい
て、固定現像手段６ｂの現像スリーブ６ｂ1 上のトナー
吐き出し工程を、プリントシーケンスの後回転工程で行
う例で説明する。図９は前記トナー吐き出し工程のタイ
ミングチャートであり、カラー画像形成にイエロー、マ
ゼンタ、シアンの３色、若しくは色トナー単色での画像
形成時のブラックトナー吐き出しシーケンスを示すもの
である。

【００６２】ブラックを含めた４色のトナーを用いたカ
ラー画像形成では、前述した第１実施形態で説明したタ
イミングチャートでブラックトナーの吐き出しを行えば
よい。

【００６３】本実施形態では最終色としてシアン現像ス
リーブ（Ｃスリーブ）を有するシアン現像器（Ｃ現像
器）６Ｃによるシアン現像工程（Ｃ顕画工程）の終了
後、固定現像手段６ｂの現像スリーブ６ｂ1 を１回転程
度回転させて再び停止させる。その後、レーザー露光と
現像バイアス電圧の印加を行い、現像スリーブ６ｂ1 上
の現像領域のトナーを感光体ドラム１に転移させる。こ
のとき転写バイアスをＯＦＦすることで、不必要に転写
ドラム17を汚すことがなくなる。尚、前記のトナー吐き
捨て工程後、転写ドラム17表面の清掃と除電工程が行わ
れて画像形成が完了する。

【００６４】上記のように、プリントシーケンスの後回
転工程においてトナー吐き捨て転移工程を行うことで、
次の画像形成を開始したときには固定現像手段６ｂの現
像スリーブ６ｂ1 上の現像領域トナーは吐き捨てられて
いるので、色トナーの画像形成における混色が防止でき
ると共に、ファーストプリントスピード（プリントリク
エスト信号が装置本体に入力されてから、画像がプリン
トアウトされるまでの時間）を遅くすることなく、前記
トナーの吐き出し工程を行うことができる。

【００６５】尚、本実施形態では、転写材Ｐに直接トナ
ー像を重ねる方式の画像形成装置を用いた例を示した
が、第１実施形態のように中間転写体を用いた画像形成
装置であっても同様の効果を得ることはできるものであ
る。

【００６６】

【発明の効果】本発明は前述のように構成したために、
１つの現像バイアス電源によって固定現像手段と回転現
像手段の双方へバイアス電圧を印加し、また非画像形成
時に固定現像手段のトナー担持体からトナーを電子写真
感光体へ転移させることにより、装置の小型化を図りつ
つ混色を防止することができる。

【００６７】また、固定現像手段に磁性トナーを用いる
ことによって、クリーニング性能を向上させることがで
き、更には固定現像手段のトナー担持体に磁石を内包さ
せることにより、より高い混色防止効果を得ることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】電子写真画像形成装置の全体模式説明図であ
る。

【図２】現像手段の構成模式説明図である。

【図３】トナー吐き出しのための駆動制御のタイミング
チャートを示す説明図である。

【図４】トナー吐き出し時の回転現像手段の位置を示す
説明図である。

【図５】磁石を内蔵した現像スリーブにより、磁性トナ
ーを用いてブラック現像を行う電子写真画像形成装置の
全体構成説明図である。

【図６】図５に示す装置によってトナー吐き出しのため
の駆動制御のタイミングチャートを示す説明図である。

【図７】クリーニング不良を防止するために有効な、プ
リントシーケンスの前回転工程を利用した磁性トナー吐
き出しを行うタイミングチャートの説明図である。

【図８】感光体ドラム１から直接転写材Ｐに多重転写す
る電子写真画像形成装置の説明図である。

【図９】図８に示す装置によってトナー吐き出しのため
の駆動制御のタイミングチャートを示す説明図である。

【図１０】従来技術の説明図である。

【図１１】露光手段と固定現像手段の間に回転現像手段
を配置した画像形成装置の説明図である。

【符号の説明】

Ｐ …転写材 １ …感光体ドラム ２ …帯電ローラ ３ …露光手段 ４ …レーザー光 ５ …反射ミラー ６ …現像手段 ６Ｂ …ブラックトナー現像器 ６Ｃ …シアントナー現像器 ６Ｍ …マゼンタトナー現像器 ６Ｙ …イエロートナー現像器 ６ａ …回転現像手段 ６ｂ …固定現像手段 ６ｂ1 …現像スリーブ ６ｂ2 …トナー容器 ６ｂ3 …送り手段 ６ｂ4 …供給ローラ ６ｂ5 …現像ブレード ６ｂ6 …吹出防止シート ６ｂ7 …磁石 ６ｃ …回転支持装置 ７ …装置本体 ８ …中間転写体ドラム ９ …クリーニング手段 ９ａ …クリーニングブレード 10 …クリーナー 11 …給送カセット 12ａ …給送ローラ 12ｂ …搬送ローラ 13 …転写ローラ 14 …定着手段 15 …排出トレー 16 …現像バイアス電源 17 …転写ドラム 18 …グリッパー 19 …吸着ローラ 20 …分離爪 21 …転写ドラムクリーニング手段 22 …除電ローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴谷 聡 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノ ン株式会社内

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子写真感光体に露光手段から露光して
   潜像を形成し、該潜像を前記電子写真感光体に対して位
   置決めされた固定現像手段と、少なくとも２個以上の現
   像手段を回転可能に支持した回転現像手段とによって現
   像する現像方法において、 前記固定現像手段と回転現像手段とに共通のバイアス電
   源から現像バイアスを印加して現像するにあたり、 前記固定現像手段の非画像形成時に、前記固定現像手段
   の現像剤担持体の回転を停止すると共に、露光手段によ
   って電子写真感光体を露光し、且つ前記バイアス電源か
   ら前記現像剤担持体にバイアス電圧を印加して、前記現
   像剤担持体から現像剤を前記電子写真感光体に転移させ
   る転移工程を行うことを特徴とする現像方法。
2. 【請求項２】 前記転移工程を、前記固定現像手段によ
   る現像工程終了後に行うことを特徴とする請求項１記載
   の現像方法。
3. 【請求項３】 前記転移工程を、画像形成終了時の後回
   転工程で行うことを特徴とする請求項１記載の現像方
   法。
4. 【請求項４】 前記転移工程を、画像形成開始時の前回
   転工程で行うことを特徴とする請求項１記載の現像方
   法。
5. 【請求項５】 前記転移工程を、複数の転写材に連続し
   て画像形成する際の転写材間で行うことを特徴とする請
   求項１記載の現像方法。
6. 【請求項６】 前記固定現像手段は、前記現像剤担持体
   は内部に磁石を有し、磁性現像剤を使用して現像するも
   のである請求項１記載の現像方法。
7. 【請求項７】 電子写真感光体に形成した潜像を現像し
   て画像を形成する電子写真画像形成装置において、 電子写真感光体と、 前記電子写真感光体に潜像を形成するために露光する露
   光手段と、 前記潜像を現像剤によって現像するために、前記電子写
   真感光体に対して位置決めされた固定現像手段と、少な
   くとも２個以上の現像手段を回転可能に支持された回転
   現像手段とを有する現像手段と、 前記固定現像手段の非画像形成時に、前記固定現像手段
   の現像剤担持体の回転を停止すると共に、露光手段によ
   って電子写真感光体を露光し、且つ前記バイアス電源か
   ら前記現像剤担持体にバイアス電圧を印加して、前記現
   像剤担持体から現像剤を前記電子写真感光体に転移させ
   るよう制御する制御手段と、 を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
8. 【請求項８】 前記固定現像手段は、前記現像剤担持体
   は内部に磁石を有し、磁性現像剤を使用して現像するも
   のであり、前記回転現像手段は非磁性現像剤を使用して
   現像するものであることを特徴とする請求項７記載の電
   子写真画像形成装置。
9. 【請求項９】 前記固定現像手段及び回転現像手段は、
   装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとし
   て構成されていることを特徴とする請求項７記載の電子
   写真画像形成装置。
10. 【請求項１０】 前記固定現像手段は、前記回転現像手
    段と露光手段との間に配置されていることを特徴とする
    請求項７記載の電子写真画像形成装置。