皆さんこんにちは。花上惇(はなうえじゅん)です。一体私が何者なのかって? 私は、悩めるギャルズの駆け込み寺。普段SNSで活動しているラブリーでチャーミングな、今一番ホットなギャルよ(言うだけタダ)。現代社会を生きるやんごとなきギャルの私たちは、常日頃、世の荒波に揉まれながら人生をサバイブしているわよね。この連載では、普段エンパワーメントを発信している私が、これまでに出会った人物や作品、フレーズの中から、人生に影響を受けたものをpick upして、そこで思った考えをシェアしたいと思うの。
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弱った時に知っておきたい考え方
連載第24弾で取り上げるテーマは。「私がオネエ言葉をやめた理由」について。その経緯と行動に至った理由を語りたいと思う。
とある日の夜のこと。
歳を重ねるごとに、時の流れを早く感じるもの。ViViでコラムの連載を始めて間もなく1年が経とうとしている。元々当初から1年間の契約だった為、この1ヵ月間は、いつ契約解除の通達が届くかと気が気ではない生活を送っていた。
そんな中、編集部から編集長を含めた食事の誘いがあり、その時私は直感的に「あ、きた」と思った。
約束の日の夜、私は覚悟を決めて処刑場へと向かった。先に到着した私は、座る位置に悩んでみたり、第一声に何と声をかけようか、など、まるで初デートのような緊張感の中で執行人の到着を待っていた。
時間通りにその場に姿を現した、これから私の首を切り落とす2人。
私は緊張で引き攣った笑顔で「お疲れ様です」と声をかけた。
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私がオネエ言葉をやめた理由。
その後は、あえてその話題を避けるかのように、“不自然にナチュラル”な食事会(と私は感じていた)が進んでゆき、中々刑を執行してくれない2人に対しどのようにその話題を切り出そうか頭を悩ませていた次の瞬間、私の鼓膜に違和感を感じるワードが届いた。それは……。
「来月の連載のテーマなんですけど……」
いや、そんなはずはない。私は6月いっぱいで契約を切られるはず。今日この場で私の首は吹き飛ぶはずなのだから。この時ばかりは自分の聴力を信じきれず、「え、続くんですか?!」と再度確認したところ、どうやら私の首の皮は繋がったらしかった。
すっかり安堵した私は、次回のテーマや、新ビジュアルの撮影など、もう二度と出来ないと思っていた今後の話、そしてこれまでの1年間を振り返りながら楽しい時間を過ごした。
そんな中で、ふと編集長が私の文章の書き方の変化を指摘した。
仰る通り、私はとある時期を境に、意識的にそのスタイルを変えた。
連載当初は、今とは異なりオネエ言葉を誇張した書き方を“あえて”していたのだ。
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単純にその方が分かりやすく、よりコミカルに楽しく読んでもらえるのではないかとの思いからだった。
おそらく当初、私を知っている方の私に対する印象は、“冷蔵庫の扉を開けてポジティブマインドをオネエ言葉で捲し立てる人”であり、それ以上でもそれ以下でもなかったはず。
そんなファンの方“だけ”に向けて発信していたように思う。しかし、連載を続けていくその過程で、次第にこれを機に私を知る新規の方にもこの記事を読んでほしい、と自分の中で意識の変化があり、照準が変わり、そして広がった。
私の記事に対するYahoo!ニュースのコメントの中で、一件だけ忘れられないコメントがある。
「オネエ言葉が無理すぎて最初の3行で読むのやめた(笑)。」シンプルに傷ついた。
決して私のセクシュアリーを否定されたからということではなく、私が自身の判断で、求められていると“思っていた”誇張したオネエ口調のせいで大切な読者を一人失ったのだという事実がショックだったのだと思う。
冷蔵庫の扉を開けてオネエ言葉で捲し立てる私も本当の私であり、こうして真面目な口調でコラムを執筆する私も本当の私。
どちらも誇りを持って取り組んでいる事ではあるが、要は使い分けなのだと気がついた。
オネエ言葉を嫌悪する数と比較すると、真面目な口調を嫌悪するその数は圧倒的に少ないだろう。それであれば後者の方がいいよね、とそれだけの話。
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現状の自分にすがり続けることへの恐怖
あとは、インフルエンサー業を経験してゆく中で、どうしても“冷蔵庫の人”というイメージが付いて回る。
決してそれが嫌という話ではなく、それにより認知も広がり、仕事の幅も広がった為とても感謝している。このコラムもその一つ。
しかし、移り変わりの激しいSNS業界において、それにすがり続けることに恐怖と不安を感じているのも事実だった。
冷蔵庫とオネエ言葉を取り除いた時に、それでも私として成り立つ私を目指したくなったのだ。その初めの一歩として、私はオネエ言葉に頼ることと決別した。
読者の皆様は、自分を司どるモノを取り除いてみた時、あなたでいられる自信はありますか? 私にはまだその自信が無いからこそ、一歩踏み出してみたくなったのかもしれない。
人から見れば小さなステップだとしても、確固たる『私』を目指して。

シャツ、パンツ/@sublations_official ネックレス、イヤーカフ(シルバー)、リング/@heres_
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