JP6282106B2 - トナー - Google Patents
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Description
該非晶性ポリエステル樹脂が、重量平均分子量の異なるポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含有し、
該ポリエステル樹脂Aよりも該ポリエステル樹脂Bの方が、重量平均分子量が大きく、
該ポリエステル樹脂Aが、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Aが、該多価アルコールユニットとして、ビスフェノール類の炭素数が2以上4以下のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Bが、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Bが、該多価アルコールユニットとして、ビスフェノール類の炭素数が2以上4以下のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニット及びノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを有し、
該トナーの示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、結晶性ポリエステル樹脂由来の吸熱量ΔHが、1.0J/g以上5.0J/g以下であり、
透過型電子顕微鏡(TEM)観察による該トナーの断面において、針状で観察される該結晶性ポリエステル樹脂の結晶が分散しており、該結晶の長軸長さの個数分布において、該長軸長さが100nm以上250nm以下の該結晶の断面が30個数%以上存在することを特徴とするトナーである。
本発明のトナーは、結着樹脂として、芳香族ジオールを主成分とする重量平均分子量が小さいポリエステル樹脂Aと芳香族ジオールを主成分とする重量平均分子量が大きいポリエステル樹脂Bを含有しているのが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂Bは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを0.1mol%以上10.0mol%以下含有することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂Aは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、多価アルコールユニットの総モル数に対し、芳香族ジオールに由来する多価アルコールユニットを90mol%以上含有することを特徴とする。多価アルコールユニットの総モル数に対し、芳香族ジオールに由来する多価アルコールユニットが90mol%未満であると、カブリが悪化する。本発明におけるポリエステルBとの相溶性を確保するため、95mol%以上であることが好ましく、さらに好ましくは100mol%である。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B以外に下記の重合体を本発明の効果を阻害しない量で添加することも可能である。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
本発明のトナーは定着助剤として結晶性ポリエステルを含有する。
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂と、着色剤と、ワックスを溶融混練する必要があることから、結着樹脂と、着色剤と、ワックスを溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法が好ましい。
前記トナーの透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察及び結晶性ポリエステルドメインの評価は、以下のようにして実施することができる。
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
樹脂のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
トナー中における結晶性ポリエステルの結晶およびワックス離型剤の含有量は示唆熱量分析(DSC)で測定される吸熱量ΔHにて測定できる。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
S=Vm×N×0.162×10-18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル-1)である。)
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例1>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)5000であるポリエステル樹脂A1を得た。
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)4800であるポリエステル樹脂A2を得た。
・ポリオキシブチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)5300であるポリエステル樹脂A3を得た。
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)4900であるポリエステル樹脂A4を得た。
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:64.7質量部(0.18モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:24.1質量部(0.15モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
・スチレン:8.2質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート:1.6質量部
・ジブチルパーオキサイド(重合開始剤):1.5質量部
その後、上記混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、1時間保持した(StAc化反応工程)。
・無水トリメリット酸:1.2質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)5000である非晶性樹脂A5を得た。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物429質量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物329質量部、イソフタル酸100質量部、テレフタル酸158質量部及びジブチルスズオキサイド2質量部を入れ、230℃で10時間反応させ、さらに10〜15mmHgで5時間反応させた後、無水トリメリット酸30質量部を加え、180℃で3時間反応させて、非晶性ポリエステルA6を得た。非晶性ポリエステルA6は、ガラス転移点が50℃、重量平均分子量が5500であった。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)10000であるポリエステル樹脂B1を得た。
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)110000であるポリエステル樹脂B2を得た。
・ポリオキシブチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)120000であるポリエステル樹脂B3を得た。
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)110000であるポリエステル樹脂B4を得た。
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5mol付加物):4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)90000であるポリエステル樹脂B5を得た。
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)100000であるポリエステル樹脂B6を得た。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管を装備した反応容器に、プロピレングリコール130質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部及びジブチルスズオキサイド2質量部を入れ、230℃で8時間反応させ、さらに10乃至15mmHgで5時間反応させて、第二の非晶性ポリエステルB7を得た。非晶性ポリエステルB7は、ガラス転移点が62℃、重量平均分子量が23000であった。
・1,10−デカンジオール:46.9質量部(0.27モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・セバシン酸:53.1質量部(0.26モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂C1を得た。
1,10−デカンジオールを1,6−ヘキサンジオールに、セバシン酸をフマル酸にした以外は結晶性ポリエステル樹脂Cの製造例1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂C2を得た。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸2120質量部、1、6−ヘキサンジオール1520質量部及びハイドロキノン3.9質量部を入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaで2時間反応させて、結晶性ポリエステルC3を得た。結晶性ポリエステルC3は、融点が67℃、重量平均分子量が1.5×104であった。
・ポリエステル樹脂A1 70質量部
・ポリエステル樹脂B1 30質量部
・ポリエステル樹脂C1 10質量部
・炭化水素ワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 2質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて吐出温度150℃にて混練した。得られた混練物を15℃/minの冷却速度で冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s-1、分散ローター回転数を120s-1とした。
樹脂A、樹脂B、樹脂Cの量と種類、混練温度、混練後冷却速度を振って、その他はトナー製造例1と同様にしてトナー2乃至19、21乃至23を製造した。材料処方と製造条件を表1に示す。
温度計及び撹拌機を装備したオートクレーブ反応槽に、融点が108℃の低分子量ポリエチレンのサンワックス151P(三洋化成工業社製)70質量部及びキシレン480質量部を入れ、170℃に昇温し、窒素で置換した。次に、スチレン805質量部、アクリロニトリル50質量部、アクリル酸ブチル45質量部及びジ−t−ブチルパーオキサイド36質量部をキシレン100部に溶解させた溶液を3時間で滴下し、170℃で30分間保持した後、脱溶剤し、分散剤1を得た。分散剤1は重量平均分子量が1.8×104であった。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 60.2質量%
MnCO3 33.9質量%
Mg(OH)2 4.8質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量部
メチルエチルケトン 31.3質量部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂を得た。
コート樹脂 20.0質量%
トルエン 80.0質量%
上記材料をビーズミルで分散混合し、樹脂液を得た。
以上のトナー1乃至23と該磁性キャリアで、トナー濃度が8.0質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、二成分系現像剤1乃至23を得た。
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROをプロセススピードを自由に設定できるように改造して、二成分系現像剤1乃至23を用い、評価を行った。
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、画像濃度(FFH画像部;ベタ部)を測定した。
A:0.05未満 (かなり優れている)
B:0.05以上0.10未満 (優れている)
C:0.10以上 (従来技術レベル)
トナー1.0gとキャリア9.0gを50ccのポリ瓶に入れ、ヤヨイ振蘯器200rpmにて振蘯させ、帯電性の立ち上がりを評価した。振蘯時間30,60,120,180,300,600,1200秒におけるトナー帯電量をホソカワミクロン社製E−SpartAnalyserにて平均帯電量(μC/g)測定した。得られた測定結果に次式をフィッティングして時定数τを算出した。
A:100sec未満 (かなり優れている)
B:100sec以上150sec未満 (優れている)
C:150sec以上 (従来技術レベル)
35℃90%Rhの温湿度環境下に1週間放置した二成分現像剤を使用した。
A:240℃以上 (抜群に優れている)
B:230℃以上240℃未満 (かなり優れている)
C:220℃以上230℃未満 (優れている)
D:205℃以上220℃未満 (少し優れている)
E:170℃以上205℃未満 (従来技術レベル)
F:170℃未満 (従来より劣る)
A:125℃未満 (抜群に優れている)
B:125℃以上135℃未満 (かなり優れている)
C:135℃以上145℃未満 (優れている)
D:145℃以上155℃未満 (少し優れている)
E:155℃以上175℃未満 (従来技術レベル)
F:175℃以上 (従来より劣る)
100ccのポリカップにトナー10gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽に48時間放置し、放置後にトナーが凝集する温度を評価した。ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−Xにて1.0mmの振幅にて60秒間、目開き250μmのメッシュで振るった際に、10質量%以上残る場合を凝集NGとした。
A:60℃以上 (優れている)
B:55℃以上60℃未満 (少し優れている)
C:45℃以上55℃未満 (従来技術レベル)
D:45℃未満 (従来より劣る)
Claims (7)
- 非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーであって、
該非晶性ポリエステル樹脂が、重量平均分子量の異なるポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含有し、
該ポリエステル樹脂Aよりも該ポリエステル樹脂Bの方が、重量平均分子量が大きく、
該ポリエステル樹脂Aが、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Aが、該多価アルコールユニットとして、ビスフェノール類の炭素数が2以上4以下のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Bが、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、
該ポリエステル樹脂Bが、該多価アルコールユニットとして、ビスフェノール類の炭素数が2以上4以下のアルキレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニット及びノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを有し、
該トナーの示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、結晶性ポリエステル樹脂由来の吸熱量ΔHが、1.0J/g以上5.0J/g以下であり、
透過型電子顕微鏡(TEM)観察による該トナーの断面において、針状で観察される該結晶性ポリエステル樹脂の結晶が分散しており、該結晶の長軸長さの個数分布において、該長軸長さが100nm以上250nm以下の該結晶の断面が30個数%以上存在することを特徴とするトナー。 - 該結晶の長軸長さの個数分布において、該長軸長さが60nm以上250nm以下の間に個数ピークを有する請求項1に記載のトナー。
- 該結晶の短軸長さの個数分布において、該短軸長さが5nm以上15nm以下の針状結晶が90個数%以上存在する請求項1又は2に記載のトナー。
- 該トナー中におけるポリエステル樹脂の含有量が、70質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 該トナーが、離型剤を含有し、
該離型剤と該結晶性ポリエステル樹脂の総DSC吸熱量ΔHが、4.0J/g以上7.0J/g以下である
請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。 - 該ビスフェノール類の炭素数が2以上4以下のアルキレンオキサイド付加物が、該ビスフェノール類の炭素数が2以上3以下のアルキレンオキサイド付加物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
- 該ポリエステル樹脂A及び該ポリエステル樹脂Bの総量に対して該ポリエステル樹脂Bの占める割合が、20質量%乃至40質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
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